『バリスティック』(Ballistic:Ecks VS. Sever)2002米

バリスティック スタンダード・エディション [DVD]
 ルーシー・リューのクールなアクション以外にさして見るところなし。しかし、肝心のアクションも間が抜けている。正確には間を外している。
 アクションは派手で格好いい。意味もなく派手である。意味もなく派手なアクションといえば『トゥームレーダー2』がある。でも『トゥームレーダー2』は間を外していない。テンポよく不自然さがない。『バリスティック』もテンポはあるが、間が外れている。わざわざ間をもたせて、これから派手なアクションしますよ、と予告の間をもたせている。しかし、見ている方には間が外れているようにしか見えない。しかも、外れているだけではなく、抜けているように見え、間が抜けて見えるのだ。
 見終わってから知ったが、監督は主演のアントニオ・バンデラスだそうだ。俳優独特のナルシストぶり、見せたい、という気持ちが強すぎたのだろう。素人監督の力量不足が露見した。
 主演自ら監督したにもかかわらず、立派だなあと思ったのは、アントニオ・バンデラス自身の見せ場よりルーシー・リューの見せ場の方が多いこと。さすがは伊達男。女性に華をもたせている。
 アクションがメイン。ストーリーはアクションの理由付けに用意されただけ。設定に無理があって面白くない。