映画

『レディ・キラーズ』(The Ladykillers)2004米

トム・ハンクス主演なので、軽いコメディの犯罪映画かと思ったが、グロテクスな笑いが多く、最後のほうはブラック・ユーモアの映画になった。 泥棒集団には個性的な登場人物が揃っているのだが、誰もがどこか汚れていて禁忌なものを匂わせる。 中国人が火の…

『穴/HOLES』(HOLES)2003米

邦題がお粗末。原題を直訳しただけ。『穴』なんて、斜に構えた芸術思考の映画のタイトルにしか思えぬ。せっかくの楽しい娯楽作品が邦題で台なし。 ある少年が無実の罪で非行少年更正施設に送らた。更正施設では、毎日、砂漠の中に直径1.5メートル、深さ1…

『バーバー吉野』2004日

小学生までの男の子はみんなオカッパ頭という因習が残る山村。オカッパ頭に刈るのは『バーバー吉野』。男の子はみんな『バーバー吉野』に通う。 そこへ東京から茶パツの転校生が越してくる……となれば話の展開は読める。『スタンバイ・ミー』と同じ世界も展開…

『バッファロー’66』(BUFFALO '66)1998米

「生きられない」 ファミレスのトイレで男がうずくまる。短気で見栄っ張り。だから口から出るのは大法螺ばかり。でも、小心だから何もできずに、自責にかられる。見ていて腹が立つ。でも、「生きられない」とうずくまられると身につまされる。ボクも小心だ。…

『東京ゴッドファーザーズ』2003日

描かれる東京の風景がリアル。実写した物に色を塗っている感じ。見慣れた上野や御徒町界隈の風景だけにリアルさを感じた。 話は出来過ぎ。偶然の連続。偶然が多すぎる。偶然を引くと何も起こらない。主人公たちは必死にもがき、動くが、彼らの運命は偶然のみ…

『下妻物語』2004日

ダサい。話も月並み。でも面白い。馬鹿馬鹿しくて面白くて泣けた。見え見えダサダサのお涙頂戴物なのに、引っ掛かってしまった。クライマックスでは感動すらした。やられた。 なぜだろう。ヒロインの二人が一途だからだろうか。一途というと、純粋で汚れがな…

『21グラム』(21 GRAMS)2003米

人が死ぬと21グラムだけ体重が軽くなるそうだ。映画の中でそう語っていた。本当のことなのかどうかは知らない。もし本当ならば21グラムが命の重さ。21グラムを巡る人々の因縁と人間模様が描かれている。 時間軸がいったりきたりする。前半はやや難解だ…

『タワーリング・インフェルノ』(The Towering Inferno)1974米

古い映画、しかも166分という大作なのでなかなか事件はおきない。最近の映画はテンポよく事件から始まって、いきなり興奮させられる。最近のテンポがいい――つまり手っ取り早いコンビニみたいな映画は短時間で盛り上がって見終わったら何も頭に残らない。 …

『ゴッド・ディーバ』(IMMORTAL AD VITAM)2004仏

『ブレードランナー』と『フィフス・エレメント』のパクリだと思った。パクリという言葉は悪意があるようなニュアンスだから適切ではないかもしれない。相当影響を受けている、『ブレードランナー』と『フィフス・エレメント』の世界が大好きな監督が撮った…

『デスペラード』(Desperado)1995米

クエンティン・タランティーノが出ていたし、大げさにかっこよく見せようという過剰気味で強引な演出と復讐劇というので、てっきりタランティーノ監督かと思った。でも、あとから調べてみると違っていた。 とにかく派手に打ちまくる。ラストの決闘のシーンで…

『理由』2004日

原作の宮部みゆきの小説は2回読んだ。1回目は関西に住んでいたころ。2回目は東京に転勤となり、松戸に住んでいたころ。2回目も1回目同様に面白く読んだが、1回目とは一味違う味わいだった。関東に住んで数年たっていたので、舞台となる土地のことがあ…

『キル・ビル Vol.2』(Kill Bill vol.2)2004米

1作目とはうってかわってアクションより台詞が多くなる。その台詞も大様でそこがタランティーノの面白さだろう。 1作目のアクションはチャンバラのパロディだったが、2作目ではカンフー映画をパロディにしている。香港映画の馬鹿馬鹿しさをそのまま持って…

『キル・ビル』(Kill Bill)2003米

一言でいえば漫画。劇画。コミックの世界。実際、『タイガーマスク』の時代を思わせるよな劇画タッチのアニメーションのシーンも出てくる。 すべてのシーンが決まっていて格好はいいが、大仰なので笑ってしまう。でも、昔のチャンバラ映画や極道映画もこんな…

『ハリウッド的殺人事件』(HOLLYWOOD HOMICIDE)2003米

話はありきたり、アクションもそれなり。見所はハリウッドの風景とところどころにちょい役で出てくる名優を見つけること。『華麗な探偵 ピート&マック』のロバート・ワグナーが出ていたのには泣けた。 気軽に楽しめる映画。赤川次郎や内田康夫の推理小説の…

『ウォルター少年と、夏の休日』(SECONDHAND LIONS)2003米

別れというのは必ずある。映画の中でもいくつかの別れがある。その一つ一つが感動的。 少年と老人のひと夏……というのはよくある話。おとなしい少年が老人と交流するうちに強く成長し……というのはそのまま。でも、捻りがあってユーモアがあって、インディアナ…

『スリーピー・ホロウ』(SLEEPY HOLLOW)1999米

[DVD]" title="スリーピー・ホロウ [DVD]" class="asin"> アメリカ版金田一耕助みたいなものかと思ったら、オカルト色が強かった。科学を信奉する捜査官がいつの間にやらオカルトを信じるようになっていて、納得がいかない。オカルトを科学で切って欲しかっ…

『独裁者』(THE GREAT DICTATOR)1940米

ヒットラーとナチス軍のパロディ。 独裁者とユダヤ人の床屋がそっくりだった――というところをもっと使って欲しい。ストーリーとしてちょっと物足りない。 面白いのはめちゃくちゃなドイツ語。タモリの中国語みたいなものだ。その他、チャップリン独特のギャ…

『バッド・ボーイズ2バッド』(BAD BOYS 2 BAD)2003米

やり過ぎ。アクション自体は荒唐無稽ではないけれど、そこまでやらんでしょ、という行動を最後に見せる。そういう設定にしなくても十分見せ場は作れるだろうにと思う。調子に乗り過ぎで度が過ぎている。でも、その度が過ぎたところにど迫力がある訳で、度が…

『25時』(25th hour)2002米

麻薬の売買で逮捕された男が刑務所に収監されるまでの25時間。 なんとも言えぬタッチだ。前衛的な演出を見せるかと思えば、俗っぽい映像を見せ続ける。ニューヨーカーたちの心模様を象徴的に映像化しているのかと思えば、話は現実的である。虚構を効果的に…

『0(ゼロ)の決死圏』(The chairman)1969米

なぜグレゴリー・ペックがこんな映画に出たのか不思議だ。ショーン・コネリーの007シリーズのヒットに対抗したとは思うのだが、ストーリーはともかくセットがちゃちすぎる。B級だ。ウルトラ警備隊の基地より酷い。スチールの防護ドアなんてベニヤ板に銀…

『奇蹟の輝き』(What dreams may come)1998米

ロビン・ウィリアムス主演となれば、お涙頂戴映画でほぼ決まり。邦題を見ても感動ものであることは明白。 このロビン・ウィリアムス、目の前でラブレターを引き裂かれる男を演じさせれば天下一品。でもその暗さが嫌いだ。あざとさと媚と卑屈さを感じる時があ…

『バリスティック』(Ballistic:Ecks VS. Sever)2002米

ルーシー・リューのクールなアクション以外にさして見るところなし。しかし、肝心のアクションも間が抜けている。正確には間を外している。 アクションは派手で格好いい。意味もなく派手である。意味もなく派手なアクションといえば『トゥームレーダー2』が…

『ゼブラーマン』2004日

C級映画臭さをうまく使ったB級映画。でも中身はA級だ。いや面白かった。感動したしラストではちょっと鳥肌立ったし。仮面ライダーとかミラーマンとかで育った世代が見ると、また違った味わいがある。 鈴木京香が出ている。デビューはNHK朝の連ドラでは…

『夜の大捜査線』(In The Heat Of The Night)1967米

ミシシッピーに黒人を立たせれば、映画の内容は分かってしまう。 最近のアメリカ映画の黒人はとにやくよくしゃべる。陽気さだけがとりえのバカにしか見えぬ。彼等は白人から受ける差別に怒る。しかし、黒人だから差別を受けているように見えない。彼等の騒々…

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(INDIANA JONES AND THE LAST CRUSADE)1989米

2作目は子供向けという印象だったが。3作目は大人向けという感じ。ショーン・コネリーが加わり重厚になった。考古学や発掘という面白さも復活して文句のつけようがない。スピルバーグが一番のっていた頃の作品ではないだろうか。楽しんで撮ったんだろうな…

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(INDIANA JONES AND THE TEMPLE OF DOOM)1984米

ヒロインは大好き。ラブコメみたいなノリもあって楽しい映画だ。でも、3部作の中ではあまり好きじゃない。オカルト趣味が過ぎる。それと、特撮のシーンで模型と人形であることがまる分かりのシーンが多い。もう少し巧くごまかせなかったのかと思う。特撮で…

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(INDIANA JONES AND THE RAIDERS OF THE LOST ARK)1981米

何回見たか解らぬ。もう20年以上の前の映画なんだ。 冒頭のネパールのシーン。白人の女性が酒場で山男と酒の飲みくらべをする。これって『チャーリーズエンジェル・フル・スロットル』がパロディにしたシーンじゃないか。今頃気が付いた。 一番好きなシー…

『クライング・ゲーム』(The Crying Game)1992英

ちょっと暗い雰囲気の映画。さすがはイギリス映画。ブラックも効いてるし。これがハリウッドならスリル満点のサスペンスになっていただろう。 スリル満点にならなかった分、純愛度が高まっている。正直、気色悪いまでの純愛物語である。こうまで人を愛される…

『ナショナル・セキュリティ』(National Security)2003米

黒人はこの映画をみてどう思うのだろう。やっぱりブラザーは素晴らしい、白人は糞だと思うのだろうか。どう見ても、ヒーロー役の黒人は嘘つきでひがみっぽくて女々しくていいかげんな男にしか見えないのだが。寡黙で忍耐強い白人のヒーローの方が男らしくて…

『ビキニがぼくを救う』(Board Heads)2003米

B級のお色気青春コメディ。 舞台はビーチ。ビキニの女の子がたくさん出てくる。きれいでかわいい娘が多いがずば抜けてきれいな娘はいない。まあいいかなと思えるのはヒロインのライバル。眉毛がちょっと濃いけど。 肝心のヒロインはおよそビーチが似合わぬ…