書物
多分、一度読んでいる。でも内容はまったく覚えていない。でも面白い――というか独特の味わいがある。あとには何も残らないけれど。
多才な宮部みゆきの長編処女作だそうだ。なるほど、ひねりのない登場人物の言動に犬が語り部という奇策を使っている。ベテランになれば登場人物に深みが出てくるし、策を弄さずとも読者はついてくる。
主人公の正体はすぐにばれるし、話の筋も単純。主人公のキャラクターは少女マンガ的。月並みのオンパレード。 妖(あやかし)と称する妖怪たちを魅力的に描いて見せているところが読み所だが、妖怪といわずに妖(あやかし)と読んでみたり、比喩や慣用句を多…
何度目か解らぬ。何度読んでも面白い。おそらく、というか断言できる。生涯の中で一番読み返す小説は『吾輩は猫である』である。二番目は、やはり漱石の『三四郎』であろう。 太平の逸民。金と権力に屈しない人達がいる。世間と摩擦を起こしながらも彼等は思…
『吾輩は猫である』によると、世間で成功するには三角が必要だそうだ。一つは情を欠く、二つは義理を欠く、三つは恥をかく。 また、こんなことも書いてある。 「自然は真空を忌むごとく、人間は平等を嫌う」
帯を見ると絶賛の嵐。鮮烈、ノックアウト級とあるが、軽いミステリーだった。衝撃的な部分はなかった。フォトグラフィックな描写、直球エンタテインメントという評価には賛成。軽く読めるエンタテインメントだ。映画にはつらいが、テレビシリーズにはできそ…