『ゴッド・ディーバ』(IMMORTAL AD VITAM)2004仏

ゴッド・ディーバ 通常版 [DVD]
 『ブレードランナー』と『フィフス・エレメント』のパクリだと思った。パクリという言葉は悪意があるようなニュアンスだから適切ではないかもしれない。相当影響を受けている、『ブレードランナー』と『フィフス・エレメント』の世界が大好きな監督が撮ったんだろうな、『2001年宇宙の旅』の効果音も使われていたから、相当のSF映画好きなんだろうなと思った。
 あとから調べてみると、『ゴッド・ディーバ』の監督エンキ・ビラルの影響を受けたのが『ブレードランナー』と『フィフス・エレメント』の方だった。エンキ・ビラルが過去に描き出した近未来のイメージが『ブレードランナー』と『フィフス・エレメント』に影響しているらしい。
 本作は3人ほどが実写で登場するほかは、ほとんどCGである。生身の役者がCGで造られた人間と競演しているわけで、最初は違和感がある。でも、いつの間にか生身の役者がCGに見えたり、CGの役者が生身の人間に見える瞬間が生まれてくる。特にヒロインは美しすぎてCGじゃないかと思えてくる。
 映像的には素晴らしい。美しい。でも、話は面白くない。脚本が練られていない。複雑な話を説明しきれていない。難解といえば聞こえがいいが、薄い哲学で書かれた”難解”に過ぎないので分かってみると馬鹿馬鹿しい。