『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(My big fat greek wedding)2002米

　アメリカというのは個人主義の国。でも、結婚となればやはり家と家の関係が重要になってくるようだ。日本と同じだ。
　ヒロインは行き遅れのさえない女。父が経営するレストランの店員をしている。彼女はギリシャ人の父母の間に生まれた。父は強固な民族主義者。ギリシャ人同士の結婚しか認めない。しかし、ヒロインが恋に落ちた相手はアメリカ人。父は猛反対するが……という話。
　ヒロインが学校に通いたいと言い出すシーンがある。女に学問は不要、という男尊女卑に凝り固まった父は許さない。家長は俺だ、俺の言うことを聞け。ヒロインは母に相談。母が任せておきなさいと言う。その時の言葉がいい。
「確かにお父さんは家長、家の頭よ。そして妻は首。頭は首の曲がる方向を向くの」
　話は在り来りだが、登場人物がみな憎めない。心地よいラブコメ。